インプラントは高い?ほかの補綴治療と比較して見る「インプラント治療の価値」|インプラント|八尾市久宝寺の歯医者 谷口歯科クリニックインプラントは高い?ほかの補綴治療と比較して見る「インプラント治療の価値」|インプラント|八尾市久宝寺の歯医者 谷口歯科クリニック

監修:医療法人善心会

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インプラントは高い?ほかの補綴治療と比較して見る「インプラント治療の価値」


「インプラントにしたいけど、治療費が高くて…」

「1本あたり数十万円…それだけの価値がインプラントにはあるの?」

「歯を補うなら、保険のブリッジ・入れ歯で十分でしょ?」


インプラントをご検討されるも、費用の高さがネックとなり治療を受けるかどうか躊躇してしまう…そんなご経験がある方も多いかと思います。


インプラントはけっして安い物ではありません。数百円~数千円で済む保険のむし歯治療と比べ、自由診療であるインプラントはどうしても費用が大きくなります(※)。


(※)先天性の無歯症など、国が指定する疾患に該当する場合は

保険でインプラント治療を受けられるケースがあります。


果たして、インプラントは1本何十万円という価格に見合った価値が本当にあるのでしょうか?インプラントの大きな治療費はクリニックが儲け主義でぼったくりをしているだけなのでしょうか?気になるところです。


疑問をお持ちの方も少なくありませんが、インプラントの治療費が大きいのは相応の理由があります。けっして、儲け主義で不当に価格を上乗せしている訳ではありません。


今回は保険のブリッジ・入れ歯と比較しながら、「インプラント治療の本当の価値」をご説明させていただきます。


■インプラント治療の一般的な費用相場


◎インプラント1本につき30~45万円前後が一般的


現在、インプラント治療の一般的な費用相場は、インプラント1本につき総額で30~45万円前後になります。


インプラントの治療費が大きいのは、以下のような理由があるためです。


≪インプラントの治療費を構成する要素≫


①高額なインプラントパーツ

(小さなチタン製パーツに各社の技術や研究成果が詰まっている)

(フィクスチャー+アバットメントの1セットにつき仕入れコストが10~20万円以上する物も)

②歯科医師の技術費

③スタッフの人件費

④インプラント治療に必要な手術器具・精密機器・衛生機器の導入コスト

⑤院内の設備の維持費

⑥水道光熱費

⑦クリニックの広告費(HPなど)

⑧クリニックの家賃

(自前の土地の場合は固定資産税)


上記の要素に加え、インプラントの治療費はクリニックがある地域の影響も受けます。競合相手が多い都市部では、インプラントの治療費はより大きくなる傾向があります。


骨造成などの補助手術を行った場合は、インプラントの治療費に補助手術の費用が加算されます。


■保険のブリッジ、保険の入れ歯の治療費


◎保険のブリッジは2万円前後


保険のブリッジは失った歯1本につき(3連ブリッジ)(前歯)、総額で2万円前後かかります。奥歯の場合は総額3万円前後です。犬歯や4連ブリッジの場合は総額3万円以上になることもあります。


◎保険の入れ歯は部分入れ歯が5,000~1万5,000円前後、総入れ歯が1万円前後


保険の部分入れ歯は失った歯1本につき、総額で5,000~1万5,000円前後かかります。総入れ歯は上下片方の顎につき、総額で1万円前後、上下の歯すべてを総入れ歯で補った場合は総額で2万円前後になります。


(※)いずれの費用も3割負担の場合。


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保険の総入れ歯は比較的安いものの、保険のブリッジは3万円以上かかる場合もあり、保険の補綴治療の意外な費用の高さに驚かれる方は少なくありません。


「安い」というイメージがある保険のブリッジ・入れ歯ですが、保険のむし歯の詰め物の治療(レジンペースト:2,000~3,000円前後)などと比べると高い費用がかかります。


■インプラント治療の価値とは?


失った歯を補う治療にはインプラント、ブリッジ、入れ歯(部分入れ歯、総入れ歯)があります。


上記3つは「人工歯(義歯)で歯を補い、噛む力と見た目を回復する」という点は同じです。しかし、インプラントとブリッジ・入れ歯には治療費の大小だけでは測れない、以下のような性能の違いが存在します。


① 安定性が高い


インプラントの最大の特徴は安定性の高さです。


インプラントはフィクスチャーというネジのような形をしたインプラント体を顎の骨に埋め入れ、人工の歯根を作ります。歯を補う治療の中でも人工歯根を作るのはインプラントしかありません。


埋め入れたフィクスチャーは生体的現象により顎の骨と強固に結合し、人工歯根が作られます。人工歯根により、インプラントの治療後は硬い物もしっかり噛んでお食事を楽しめます。


天然歯の噛む力を100とした場合、インプラントは約80~90%、噛む力を回復できます(※)。


(※)平均の数値です。平均以下の回復率になるケースもあります。


{ブリッジ、入れ歯の場合}


噛む力の回復率はブリッジが約60~80%、部分入れ歯が約30~40%、総入れ歯が約10~20%程度です(※)。


(※)平均の数値です。平均以下の回復率になるケースもあります。


ブリッジは比較的安定して噛めますが、ブリッジ・入れ歯、どちらも人工歯根がありません。人工歯根がないため、インプラントと比べてブリッジ・入れ歯は安定性の高さに劣ります。特に入れ歯は安定性が低いです。


② ほかの歯を傷つけない


インプラント治療では失った歯の箇所にのみ、フィクスチャーを埋め入れます。ほかの歯を傷つけません。


ほかの歯を傷つけないため、残っている歯の寿命の延伸につながります。


{ブリッジ、入れ歯の場合}


ブリッジは被せ物をするときに歯を削るため、歯の寿命が縮むことがあります。


部分入れ歯はクラスプという金具を隣の歯にかけて使用します。金具が歯のエナメル質を傷つけたり、入れ歯で噛む度に金具をかけた歯が引き倒されてしまい歯がグラグラになることも。


また、ブリッジ・入れ歯は人工歯根がないため噛む刺激が不足して顎の骨の吸収(骨が溶ける)が起きることがあります。顎の骨の吸収、および、ブリッジ・入れ歯の劣化(経年による形状変化)により歯並びや噛み合わせが乱れ、食べ物をしっかり噛めなくなるケースは少なくありません。


③ 耐用年数が長い


インプラントの平均耐用年数は10~15年以上、という厚生労働省の調査結果があります(※1)。


ただし、インプラントが10~15年間しか持たないという訳ではありません。毎日のセルフケアをしっかり行い、定期的に歯科医院でメンテナンスを受けることで15年以上、インプラントを保つことも十分可能です(※2)。


(※1)厚生労働省「歯科インプラント治療の問題点と課題等」(2014)より引用。


(※2)15年以上インプラントが持つことを保証するものではあり

ません。患者さんやメンテナンス状況によっては10~15年以下で

インプラントに不具合・破損が起き、作り替えや再手術が

必要になるケースがあります。


{ブリッジ、入れ歯の場合}


保険のブリッジの平均耐用年数は7~8年程度、保険の入れ歯の平均耐用年数は3~5年程度です。


ブリッジや入れ歯はプラスチック樹脂で作られているため劣化しやすく、定期的に作り替える必要があります。患者さんによっては平均以下の年数で作り替えが必要になるケースも。


④ 自然な使い心地、発音しやすい、お手入れが簡単など、機能性・快適性の高さ


・自然な使い心地


インプラントは人工歯根、かつ、固定式のため、ご自身の歯に近い自然な使い心地です。


・発音しやすい


インプラントは固定式で発音しやすいです。人工歯のずれや外れを気にせず、おしゃべりを楽しめます。


・お手入れが簡単


毎日のインプラントのお手入れはいつもどおりの歯みがき+歯間清掃でOK。入れ歯のように取り外して洗う必要がありません。


・自然な白さの歯を演出できる


インプラントは透明度が高いセラミックで人工歯が作られているため、天然歯のエナメル質に近い自然な白さの歯を演出できます。


{ブリッジ、入れ歯の場合}


・使い心地


ブリッジは固定式のため比較的安定性が高いですが、人工歯根がないため自然な噛み心地という点ではインプラントに劣ります。入れ歯は取り外し式のため、使用中にずれたり外れることがあります。義歯のずれや外れは患者さんにとって大きなストレスになります。


・発音への影響


入れ歯は取り外し式で安定性が低く、発音に支障が出やすいです。発音への支障から、初めて保険の入れ歯治療を受ける方には「食べ方」「話し方」の指導を行うほど、保険の入れ歯は天然歯と感覚が異なります。


・お手入れ


ブリッジは失った歯の箇所にかけた人工歯の底を毎日フロスで清掃する必要があります。また、ブリッジは被せ物と歯の境目に歯垢や食べカスが溜まりやすくご自身では取り除くのが難しいため、定期的に歯科医院で境目部分を清掃しなければなりません。


入れ歯は毎日、取り外して洗う必要があります。歯みがき+歯間清掃に加えて入れ歯も洗わなければならないため、お手入れに手間と時間がかかります。


・見た目


保険のブリッジ・入れ歯ともにプラスチック樹脂のレジンで作られているため、補った箇所の人工歯(義歯)が白く浮き上がったような不自然な見た目になることがあります。


【失った歯を補うときは、残りの人生における「歯の価値」を見極めた上で補綴治療を選びましょう】


歯を失ったとき、「保険が利くし、安いから」「とりあえず歯が入ればOK」という理由で保険のブリッジや保険の入れ歯を選ぶ方が多いです。しかし、保険のブリッジ・入れ歯は上記でお伝えしたように「安定性の低さ」「噛み心地の悪さ」「ほかの歯を傷つけてしまうことがある」など、デメリットが少なくありません。


補った人工歯(義歯)は毎日の食生活をはじめとして、人生の過ごしやすさに大きく関係します。噛み心地が悪く、人工歯(義歯)のずれや外れを気にしなければならない状態が続くと、生活の質(Quality of Life)は低下します。


インプラントは自由診療のため、治療費が大きいです。治療費は大きいですが、安定性が高く、食べ物をしっかり噛めるようになる、ほかの歯を傷つけない、自然な白さの歯を演出できるなど、インプラントには大きな治療費にふさわしいたくさんのメリットがあります。


歯を失った方はインプラントにすることで上記のメリットを享受でき、生活の質が向上する効果を期待できます。


失った歯を補うときはとりあえずの間に合わせ的な考え方で保険のブリッジ・入れ歯を選ぶのは良くありません。短いスパンで見れば保険のブリッジ・入れ歯でとりあえず歯は補えるかもしれませんが、保険のブリッジ・入れ歯にした後も人生は続きます。


その後の人生の生活(食事を心から楽しめるか、使い心地の良さ、見た目の自然さ、耐久性など)を見据えた場合、本当に保険のブリッジ・入れ歯で良いのか、今一度、考えてみることが大切です。


失った歯を補うときは残りの人生における「歯の価値」を見極めた上で、慎重に補綴治療を選びましょう。



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